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A Half Note

いろんなことツラツラ

父へ…三楽章

父の想い出の話は尽きません。

潔いというか…
あきらめるのがさっぱりしてるというのか…
例えば、好きだった釣りも、「これはもう取れん」と思った日には


「全部、道具、海にホカしてきたった!」


捨てなくてもいいのに、思い切る時のきっぷの良さは
私…わかるのです。


よく小さい頃からウチとウチの店に出入りしていた兄弟のように仲のよかった親戚のおっちゃんは、
「わしが、とっちゃんの遊び、よー付きおぉてたんやでぇ~」と小さかった頃、しょっちゅう父の遊びに付いて行ってたのに、おっちゃんが一役かって貢献してくれてたのはお斎のときに話が出る迄知りませんでした。
二人は竹馬の友のようにつかず離れず大人になってからでも仲良しでした。


おもちゃ屋でプラモデルを売っていたのもあってか、薄い軽量の板からミリ単位で切り出していくラジコンの飛行機とボートの制作作業が好きだった父
「そんなんから、作れんのかいな?」と思いながら、店を閉めた後、
定規とカッターを駆使してタバコをふかし淡々と作業する姿があった。


何ヶ月もかけて、ピカピカにかっこよく出来上がったボートは桂川にテストRunに行く。
コントローラーを持った父は、まるで子供のよう。
でも、そこそこボートを川面を走らせた後、いつもお決まりで発生するは「中洲に突っ込む;」
ここまでは記憶に鮮明に覚えてるんですが、そのボートが誰が取りに行ったか?



「わしがいつもズボンの裾まくり上げて、取りに行ってたんやでぇ!」


と、おっちゃんの華々しい助っ人ぶりが今になって開花。
何艘も作ったラジコンボートもあんまり中洲に突っ込みすぎて
「もう、ヤメや!!」と止めるときは、あっさりしたもの。ラジコン飛行機もそうやったケド…

作り上げていくときの集中力と楽しいときの楽しみ方は天下一品。
「おとうちゃん、好きやデ!」



○      ○          ○          ○   



おもちゃ屋さんをやる傍ら、隣の細長い店の一角のスペースでペット屋もした父。
生き物が好きだったんやろうな…と思いつつ、今聞いた話だと


「これからはペット屋が儲かりまっせ!」と仕入先の問屋さんから言われたそうな…


チャレンジには億劫でなかった父。数多くのタンクの掃除は大変そうだったけど、
店に顔を出したときには店先でいっつもゴシゴシ水槽を洗ってたのを思い出す。
熱帯魚が中心だったけど、鳥や他の生き物もいたことがあった。
極彩色の喋れないオウム、こどものサル、リスなどなど…それぞれに手が掛かる事を知った。
ある夜、タンクの全部の水槽の温度が上がりすぎて全ての魚を死なせてしまったこともあった。


そんなペットストアもあるとき突然閉店の日を迎えた。こどもの私にとってはいつも「突然」なのだ。
お斎のとき兄とおっちゃんが、「もう、おとうちゃん、店の前で鳥籠開けて、中に入ってる鳥、ワァーと空に放しとんねん。『おとうちゃん!何やってんねん!!』って言うたら『もう、最後やし逃がしたってんにゃ!』やて。そんなん、籠の鳥が生きてけるわけあらへんのに…な」

でも、おとうちゃん、最後に籠の外、飛ばせてやりたかったんやと思う。
鳥の気持ちになってたんやろな…きっと。





こんな話は次から次へと尽きることがありません。
笑いと懐かしさとやさしさと…静かに眠る父の前での送る日は…父と私たちの最高の日となりました。




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by chopiana | 2014-06-03 02:33