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A Half Note

いろんなことツラツラ

桐野夏生

昨年の残暑から封印していた本がありました。
欝がでているときは絶対に読めない本。

一度、読みはじめると引きずり込まれるその方向性…
奈落の底の状態にあるとき、おそろしくて読めません。

やっと意を決して読める時期に入ったので開いてみました。
以前、本屋が撤退するときに買い込んだ本をだらだら読んでいましたが、
やはり、桐野さんの本は一旦読むと止めるのが難しく、一気に終わってしまいました。

何故すきなのか…

●カタゴリに収まりきらない-フィクション・ノンフィクション・推理・ホラー・など境界線がどれもすれすれであやうい。
●Keyになり得る目立つ様々な人物が惜しげもなくストーリーから切り落とし置き去りにされていく
●パズルのようにきっちりおさまりきらない歪み感
●読んだあと、読み側が恐怖感と虚無感に捨て置かれる。
けれど、どこに宛てていいかわからない、トグロを巻いたメッセージのようなモノがいつまでも脳裏に残る。

だから…時を置いたとしてもやめられない。

I'm sorry, mama..・グロテスク・OUTなど特に今の社会性を背景にして、
ある作品は事実をモチーフにしているだけに虚像と実像のすれすれの線がより残忍さを浮き彫りにする。

桐野ワールド。読んでいるうちに頭に浮かぶこと…

「いったいこの人はどんなひと…」

そんな中で以前出会った「白蛇教異端審問」

私的にはホッとしました。

「血がちゃんとかよった人だった…」

このコントラストがやめられない理由なんだと思います。


桐野夏生_a0254358_2321418.jpg

by chopiana | 2013-01-24 02:34