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A Half Note

いろんなことツラツラ

Ravel BOLERO

ある忘れられないシーンがあります。

Vancouver Symphony(VSO)を聴きにいったときでした…
VSOのコンサートはアットホームなものも多く、メインの出し物を挟み、
指揮者の挨拶、トーク、そして、他の出し物も趣向が凝らされていることがあります。

その中でのRavel BOLERO

バイオリンなどの弦楽器の方々が席を後ろにずらし移動して
指揮者の前にスペースが空きます。

そこへ、ニコニコとひとつのドラムを抱えて前進してくる青年―スネアドラム奏者。

回りの奏者たちもその姿にニコニコ。

そうなのです。この曲はスネアドラム奏者にとって檜舞台なのです。
水を打ったような静けさの中でドラムの時を刻むような響きで始まります。

いつもはメインの弦楽器が始めはピッチカートで打楽器の役目のようにベースのリズムを刻み
普段、脇役者のようである楽器が次々にソロのパートを重ね見せ場を作っていく。
それぞれの際立つ旋律にその楽器のもつ個性と美しい音色が再認識される。
でも、終始、ドラムは同じリズムで鼓動のように刻んでいかなければいけない大役。そして主役。

同じ旋律が繰り返されても、異なる楽器の音色によって、曲が自ずから練り上げられていく。

この演奏も指揮者をはじめ、清々しくエネルギッシュで気持ちのいい作品だと感じました。


by chopiana | 2013-02-28 02:05 | Classic